■ディスレクシアの定義

 

いかがでしたか? なんだか読みにくくありませんでしたか?
 字が二重に見えたり、ゆがんでいたり、ぼやけていたりすると、 文字を判読するだけで時間がかかってしまって、読めたとしても、何が書いてあるのか内容がよくわからなくなったりしませんでしたか?

こんな思い・・・・・。

 

こんな気持ちを教室で、家庭で、社会で、日々味わっている子どもたちがいます。文部科学省が全国の児童・生徒4万人を対象に行った調査結果によれば、4.5%、つまり25人に1人はそんな思いを抱えている子どもたちなのです。

 知的能力には問題がなく、視覚・聴覚機能も問題がない。それなのに、生まれつき、読んだり、書いたり、計算したり、推論したりすることが難しい…
このつらさを「LD(学習障害)」と言います。なかでも、特に「読んだり書いたりすることが苦手」な人を「デイスレクシア(読み書き困難)」と言います。

ディスレクシアとは・・・・・

 

知的能力は普通なのに、「字」という記号と言葉の「音」が結びつきにくいことが原因で、読み書きが困難になる(高次脳)機能障害と考えられています。ディスレクシアは「読み書きのLD」とも言われ、LDの中心症状です。

 

ちなみに、アメリカでは全学童の10〜15%にディスレクシアの症状があるといわれていますが、日本では医者・LD専門家による厳密な実態調査は行われていないため、前述の4.5%という数字に近いだろうと考えられています。

文部科学省は1999年に、LDのことを以下のように定義しました。
「基本的に知的発違に遅れはないが、聞く、話す、書く、計算する、または推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すものである。学習障害はその原因として中枢神経系に何らかの機能障害があることが推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因となるものではない」

8